新築一戸建ての維持費は？気になる内訳と年間費用を解説

一戸建てを新築する前に気になるのが、1年間にどの程度の維持費がかかるかということです。
住宅を保有すると固定資産税、都市計画税、修繕費用、保険費用、自治会費用など様々なコストが必要になります。
そこでどのような名目でどのくらいの費用が必要になるのか解説するので、参考にしてください。

何にお金がかかる？新築一戸建ての維持費

新築一戸建ての維持費として必要になるのは、「固定資産税」「都市計画税」「修繕費用」「保険費用」「自治会費用」の5つです。
それぞれの費用は不動産の大きさや価格、住んでいる場所によって大きく変わりますが、平均的な相場もご紹介します。

固定資産税
不動産を保有することによって課せられる税金です。
固定資産税は不動産の評価額によって変動しますが、標準税率は1.4％と定められています。
2022年3月31日までに完成した新築一戸建ての場合は、3年間「固定資産税の減額措置」が適用されるため、住宅に対する納税額が半分です。
土地にも課せられる税金ですが、土地は特例の適用によって減税されます。
建ててから3年間は100,000円前後、4年目以降は150,000円前後が平均的で、維持費の中でも特に高額です。

都市計画税
都市計画税は、市街化区域に建設された住宅に対して課せられる税金であり、都市計画事業、土地区画整備事業など、街を整備するために使われます。
税率は上限が0.3％と定められていますが、土地に対しては減税措置が用意されているため活用してください。
都市計画税の平均的な納税額は、30,000～50,000円です。

修繕費用
修繕費用は一戸建ての修繕を行うための費用で、維持費ではありませんが必要になった時のために普段から少しずつ貯めておくようにしましょう。
考えられる修繕内容は、水回りの設備、外装と内装、ドアの修理や交換、シロアリ駆除、畳やフローリングの張り替えなどで、新築から10年経った頃から必要になってきます。
それぞれの修繕費用の目安は、次の表を参考にしてください。
水回り設備の修繕100～200万円
外壁修理・塗装60～300万円
屋根修理・塗装40～200万円
シロアリ駆除15～20万円
フローリング・畳張替え（1畳あたり）1～6万円

保険費用
一戸建ての保険として代表的なのは、火災保険や地震保険です。
保険に入っていなければ、火災や震災で住宅が壊れてしまった時に、修繕費用から捻出しなければならなくなります。
保険はタイプや特約の有無、補償内容によって金額が異なりますが、10年間で100,000～200,000円が平均的です。
地震保険は火災保険加入時にセットする保険ですが、加入すると1年につき10,000～38,000円がプラスされます。

自治会費用
自治会費用は住んでいる街の活動のために利用される費用で、子供会、老人会、清掃活動、ゴミ置き場の管理などが該当します。
金額は自治会によって様々ですが、年間2,400～24,000円が平均的です。

一戸建ての年間維持費シミュレーション

1年間で必要な維持費をシミュレーションしてみると約40～55万円となります。
シミュレーションは新築一戸建ての条件を設定して算出したもので、設定した条件と内訳は次のとおりです。
・住宅の購入額：2,500万円
・土地の購入額：1,500万円
・長期優良住宅：該当しない
・市街化区域：該当
・地震保険：なし
固定資産税/建物新築3年間新築3年間新築4年目以降210,000円
固定資産税/土地21,000円
都市計画税/建物27,000円
修繕費用250,000円
保険費用10,000円
自治会費用10,000円
修繕費用は金額の目安として一番流動的な部分ですが、一気に全ての設備を修繕することはないため、修繕費用の項目でご紹介した金額の中から、もっとも低いものを採用して合計しました。
修繕費用も高額となりますが、固定資産税も4年目以降は全体の40％程度を占める金額です。
また固定資産税は長期優良住宅に該当する場合はさらに軽減されるため、もっと安くなる可能性もあります。

新築一戸建ての購入は維持費を考えてから

新築一戸建てを購入すると、維持費として固定資産税、都市計画税、修繕費用、保険費用、自治会費用が必要です。
全ての合計金額をシミュレーションすると、一般的な一戸建てを取得した場合、約40～55万円ほどの費用がかかります。
一戸建てを新築する時は住宅や土地の価格に気を取られがちですが、継続的に必要となる維持費についても含めて考えましょう。
維持費節約のためには、特例などに該当する住宅を購入することもおすすめです。